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♪感傷的な主題と展開
作曲:村田雅和
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2010年02月10日

詩作余話

帰巣本能を持ち、而も飛ぶことの出来る「鳥」という存在。

飛翔・・・それは、空間から空間に対する飛躍であり、彼の鳥は空間に対して、一つの軌跡を描く(空に対してデッサンをする)のだ。彼の鳥が私に呉れた一枚の羽根。私はそれを握りしめ、想いは飛翔し、世界の果てまで行き着くことが出来る!望むなら(恐らく、それは信仰心篤い一部の人のみであろうが)神の国でも、地獄の底までも・・・。

 しかし、私は思索の世界の中から、飛ぶことが出来ない肉体の現実に帰巣し、純粋な羊皮紙が汚されることを怖れている。クリスタル製のインク壷のように純粋なる思索の軌跡をわが羽根ペンの舞に託し、思索の沼辺、すなわち厳選された高貴なるインクよりわが白鳥が飛翔することを待ち望んでいる。氷河に閉じ込められ、飛翔出来ない白鳥、すなわちクリスタル製のインク壷から羽根ペンを以て、空白に軌跡を描けない詩人・・・

 夢より飛来し、現実という氷河に閉ざされる白鳥、すなわち我らが師たるマラルメの思いを受け継ぐ詩人達の永遠の夢を、「白鳥の形見たる羽ペンよ、硬化したわが脳髄の代わりに語っては呉れまいか」と祈る私に対して、無常にも昔日より時を刻んできた置き時計は、時の到来を告げ、私を幻滅に追いやるのである。


ペンとは元来、「羽根」を意味します。羊は犠牲の象徴であり、かつて写本が羊皮紙に書かれたのは、単なる経済的事情(丈夫で美しく、しかも、パピルスより安価)だけではないと思われます。インクはオークガルインクを用いたらしい。


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